出だしで躓く

出だし以外は躓かない

理想と演技

 昨夜読んだ本に「最初は無理をして理想の自分を演じていればやがて本物になる」という主旨のことが書いてあった。ダイエッターの間でも同じようなことが言われていた。痩せている人(憧れのモデルなど)のつもりで過ごす、ということだった。異なる分野で共通して言われているということは、それなりに効果のある方法なのだと思う。

 しかし、私は「健全な人」のフリを続けて心のバランスを崩してしまった。演じるたびに自分は社会に受け入れられない性質を持って生まれてしまったのだと実感し、虚しくて堪らなかった。演じていればやがて本物になる?これは自己受容がきちんと出来ていることが前提だと思う。自分を否定し違う自分になりたいからと始めると私のようになるのだと思う。しかし、否定しなくてよい程度のことなら変える必要がないのでは?とも思う。向上心に欠けるだろうか。私が今までやってきた演技やそのための努力は全て必要性があるからやってきた。変わらなければ生きていけないというくらい切羽詰まっていた。

 それって、努力ではなくて治療ではないのか。きっとそうだ。自分で治療をずっとやってきた訳だ。それで本当に良くなったのだからすごいな。ここまで来たら誰かの自己治療を助けてあげられるようになりたいな。私は人に何かを与えられる人間にずっと憧れている。